海外で暮らすと、その国・地域で話される言語を次第に会得出来るようになりますがどれほど上達するのでしょう。
学生時代または社会人になってから「語学留学」で上達させてくる人がいます。
語学留学は「語学」目的で行くので語学力は相応にレベルアップする一方、海外赴任の場合は「仕事」のために行くので必ずしも語学力が上達するとは限りません。
筆者の周りの海外赴任者を見てきた中で、彼ら彼女らの英語力がどれほどアップしているのかを参考にしてみましょう。
結論:リスニングはレベルアップ/スピーキングは普通
参考とする海外赴任経験者のサンプル数はざっと50人以上。
海外赴任帰りや現在赴任中の職員で20代から50代の男女が対象です。彼らの多くは国公立・早慶・マーチといった大学出身者で基礎英語力には問題が無い人たちです。全くの英語力ゼロから海外赴任した人ではありません。
このような方々をサンプルとして見てみると、結論、リスニング力は総じて全員が相当レベルアップします。一方でスピーキング力は(個人的感覚では)10%〜20%がある程度レベルアップするものの大多数は The 普通レベル で、ペラペラに話せるようになる人は殆どいません。
(もちろん、もともと赴任前からペラペラだった方はいます)
「カタコト」レベルは脱しており仕事で使う英語 (※) は問題ない一方で、現地人と Bar や Pub に行って自由に語らうには難しいようです。
※業務やスケジュールに関する報連相、ビジネスに関するディスカッション、経済の話題など
人によっては10年も米国に居ながら全く話せない、という方もいるから驚きです・・・。
海外赴任で英語はどれほど上達するか
海外赴任経験者が周りに沢山います。サンプル数は50人を越えますが、彼らの語学力(特に英語力)はどれほどアップしているのでしょうか。
リスニング
リスニング力はかなり上達しています。本当に驚くほど高いリスニング力を有しています。
TOEIC のリスニングパートで満点を取るなんて容易い、という人も少なくないはずです。
英語の会議でアメリカ人がマシンガンスピードで説明をしても、電話会議で相手方のイギリス人の声が途切れていても、海外赴任経験者が難なく聞き取れている様子をみればリスニング力は超レベルアップするようです。
スピーキング
一方でスピーキング力は カタコト は脱していてビジネス会話するには困らない、というレベルでしょう。
話すスピードは少し早くなっている一方で、発音やイントネーションを大きくレベルアップさせている人は多くはありません。
発音やイントネーションに加えて、文法表現や単語・熟語もバラエティ豊かに使って話せるようになった人は、もともとが英語を話せる帰国子女であったり、相当熱心に英語学習してきた人です。
信じられないことに、人によっては「イギリスに10年間も滞在したけれど会話は全くだめ」ということもあります(本人が謙遜しているのではなく、本当に辿々しいスピーキング力でした)。
ライティング
ライティング力は多くの人がレベルアップさせています。
デスクワークがメインでメールや資料作成に多く(の時間)を充てていますから、報連相を文章に落とし込むスキルは付いてくるのでしょう。
分りやすく簡潔な英語で報告物を作成することには慣れている一方で、叙情的な文章表現が出来るかと言われれば怪しいです。
リーディング
資料はほとんど全てが英語で書かれていますし、日々大量に送られてくる英文メールを処理する必要に駆られますのでリーディング力は抜群にアップします。
業務上の都合でフィナンシャル・タイムズ紙を毎日読む人もいるので、このような人は経済用語も幅広く知っているでしょう。
金融業は規制業種なので様々な公告資料を読み込む必要もあるため、英文を読むスピードも上がります。
スピーキングが上達しない理由
リスニングは初めのうちは苦労するものの、ほとんどの人がレベルアップして帰ってきます。
「英語が苦手・・・」という人も赴任後はリスニング力が必ずと言っていいほどパワーアップしています。
一方でスピーキングはリスニングと比べるとレベルアップが難しいです。
スピーキング力は勝手にレベルアップすることはない
海外生活の中では否が応でも英語が耳に入ってきます。受動的な姿勢であってもナチュラル英語・ネイティブ英語が常に周りから聞こえてきますので、英語シャワーを浴び続けてリスニング力がアップします。
しかしスピーキングについては自ら能動的に英語を口に出さない限り鍛えられません。
そもそもスピーキングの基礎となる「正確な文法理解」と「単語・熟語力」を備えていなければなりません。また正しい「発音・イントネーション」でないと相手に通じないこともあります。
こういった地道な筋トレが必要となるためスピーキング力が大きくレベルアップした海外赴任者が少ないのでしょう。
特に「発音・イントネーション」はセンスが必要です。自分の喉や口をまるで楽器のように操って発音するわけです。スポーツと似ており、自身の器官や筋肉を上手く動かして正確な発音・イントネーションをすることが出来るかどうかが問われます。
ただし多くの人が自転車に乗れるようになったように、何度も何度も発音練習をすれば会得できることでしょう。
海外赴任と留学は違う
海外赴任は日本人スタッフとだけ話していても仕事することは可能です。
現地スタッフとは最低限の口頭コミュニケーションを英語でとりながら、メインのコミュニケーションはメールで行えば問題ないのです。
留学は無理矢理にもスピーキング練習する環境があるので、何度も何度も繰り返すうちにレベルアップしていくのでしょう。
スピーキング力は日本にいてもレベルアップできる
日本にいてもレベルアップできる
スピーキングの土台となる「文法力」と「単語・熟語力」を地道に鍛え上げ、その上で「発音・イントネーション」を英会話レッスンで練習していくことでスピーキング力はアップします。
すなわち日本に住んでいてもレベルアップは可能ですし、逆に言えば海外に住んでいてもスピーキングの土台が脆く、英語での発話に消極的な場合は全くと言っていいほど成長しないでしょう。
筆者の場合、一週間程度の海外旅行以外に海外滞在経験は全くありません。それでも日々のボキャビルに加えて オンラインレッスン を1年以上続けた結果、外国語のスピーキング力はある程度レベルアップできました。
体験記:【フランス語会話:フランティア】半年継続でレベルアップ
参考:【2022年】フランス語オンラインレッスン 21選(マンツーマン)
試しにフランス語のスピーキング力を測るために NOVA と ベルリッツ でレベルチェックしたところ、NOVA では Level 6 (7段階中の上から2つ目)、ベルリッツでは Level 5 (Upper Intermediate) と判定されました。
日本に居ながらも外国語を話せるようにはなります!
体験記:【ベルリッツ×レベルチェック×仏語】体験授業&レベルアップの秘訣
体験記:【NOVA×フランス語(英語以外の言語)】レベルチェックと体験授業
文法と単語力(特に動詞)が全ての土台
正確な文法理解を得るためには中学英語をシッカリと振り返るだけで十分です。良質なテキスト・参考書は沢山あるので、自分自身が継続できそうな書籍を選んで3周しましょう!
単語暗記については特に動詞に拘って覚えるとよいでしょう。人によっては「語学力=語彙力」と言います。筆者も同意です。
参考:【英検1級を超えろ】オリジナル英単語―1900動詞(難関〜超難関レベル)
英会話スクールで英語力をレベルチェック
まずは英会話スクールで自分のレベルをチェックしてみてはいかがでしょうか。結果がどうであれ、モチベーションが一気に高まります!
アメリカ、イギリス、オーストラリア、カナダといった英語圏のネイティブに英会話能力を評価してもらうのが良いでしょう。これらは無料です!
筆者は NOVA と ベルリッツ 以外にも GABA のレベルチェックを学生時代に受けたことがありました。あらためて ECC でもレベルチェックする予定です。
格安オンラインレッスンでスピーキング練習
沢山話すことでしかスピーキング力を高めていくことは出来ません。
格安オンラインレッスンで毎日英語を話そう。新たな文法表現や単語・熟語を用いて話すのが肝心。
冷や汗をかきながらも毎日毎日話すことで着々とスピーキング力は絶対に上がります!
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