今年の初夏も仏検でした。受験された皆様、お疲れ様でした。
今回は1次試験、2次試験ともに合格することが出来ましたので、テストの振り返りをしていきたい。
まずは2020年3月から毎日継続し、約2年以上に亘って覚えてきた Anki アプリを使った動詞暗記がどれほどの効果を発揮したのかを見ていきたい。
結論:動詞暗記の効果は大きい
Anki アプリで仏語動詞を覚え始めたのは2020年3月。「動詞が分からないと文章の大意を掴めない」ということで中級〜難関動詞を集めて Anki アプリに登録して暗記していました。
Anki アプリでの動詞暗記を振り返るとこんな感じです。ずいぶんと長いことやっているようです。
スタートしてから本記事投稿日まで889日が経過しており、そのウチ学習日数は883日ということで6日間サボったということでしょう。
動詞暗記を続けた甲斐もあってか、2022年仏検1級のテストでは幸運にも、筆記試験問題の中で(意味を)知らなかった動詞は2語だけでした。もちろん、初めて出会う名詞はたくさんありました。
文章中で動詞として登場する単語の他に、不定詞や分詞として登場した単語も含めて殆ど全てが既知の動詞でした(もちろん、今回の試験もラッキーなだけだったのかもしれませんが)。
あらためて、動詞暗記を頑張ってきてよかった・・・。
具体的に大問毎に動詞を振り返ってみよう。
2022年の試験問題では、そこまで難しい動詞は現れなかった印象です。それでも初めて出会った動詞は、大問6で登場した「végétaliser」と「remédier」の2語がありました。
ちなみに
「végétaliser:〜を緑化する(to grow plants or grass on/in)」
「remédier:(à …) を改善する」
という意味のようです。
さて、各大問で様々な難易度の動詞が出てきましたが、難易度が中〜高の動詞を独断で選定してみました。
大問5から
大問5の問題文および回答選択肢の中から、難易度が 中〜高 と思われる動詞をいくつか抽出してみました。
👉「endeuiller」「dérouler」「circuler」「sauver」「déterminer」「installer」「intervenir」「dégager」「projeter」「révéler」「reculer」「se pencher」
自作の動詞デッキでは「installer」と「intervenir」は入っていなかったものの、英語の install や intervene とほぼ同義なので、英語のバックグラウンドがある方にとってはそこまで難しくはないかも。
他にも以下のような動詞がありましたが基本レベルとして押さえておきたい。
👉「ouvrir」「montrer」「savoir」「conduire」
大問6から
大問6の問題文と設問文の中からもいくつか動詞を抽出してみました。難易度が 中〜高 と思われる動詞は以下でしょうか。
👉「grimper」「surexposer」「gêner」「entraîner」「végétaliser」「lier」「friser」「remédier」
これらのうち「végétaliser」と「remédier」はお初でした。「végétaliser」は掲載されていない辞書もあるよう。
これに加えて「surexposer」は自作の動詞デッキには入っていなかったものの、「sur:過度に」+「exposer:さらす」と予測できます。
他にも以下のような動詞がありましたが基本レベルとして押さえておきたい。
👉「traduire」「s’élever」「toucher」「relever」「représenter」「identifier」「rappeler」「estimer」「perdre」「limiter」「mettre (en place)」「travailler」「affecter」「couper」
大問7から
大問7の問題文の中からも、難易度が 中〜高 と思われる動詞をいくつか抽出してみました。
👉「récolter」「améliorer」「conclure」「altérer」「exclure」「heurter」「atterrir」
自作の動詞デッキでは「atterrir」は入っていなかったものの、以前に「語尾を rir / rire / rrir で整理」した記事の中でも覚えていました。
<過去記事>フランス語で語尾が rir / rire / rrir となる動詞を整理
「飛行機が離陸/着陸する」=「Un avion décolle / atterrit」という表現は記憶している人も多いのでは。
他にも以下のような動詞がありましたが基本レベルとして押さえておきたい。
👉「découvrir」「poser」「passer」「quitter」「rapporter」「arriver」「permettre」「étudier」「séparer」「donner」「traverser」「appeler」「sembler」「se trouver」「recevoir」「aller」「chercher」「réussir」「excepter」「risquer」
大問8から
大問8の問題文の中からも、難易度が 中〜高 と思われる動詞をいくつか抽出してみました。
ここでは「redoubler:落第する」の意味を知らないと、設問に対して適切に回答できなかったものと思われます。
👉「réduire」「utiliser」「intégrer」「signaler」「s’accroître」「valider」「établir」「confronter」「s’avérer」「redoubler」「méconnaître」「rassurer」
自作の動詞デッキでは「valider」と「rassurer」は入っていなかったものの、それぞれ英語の validate や reassure とほぼ同義なので類推が出来ました。
(やはり仏語と英語はかなり似ているので、ある程度英語のバックグラウンドがある方は存分に活かせます)
他にも以下のような動詞(一部熟語)がありましたが基本レベルとして押さえておきたい。
👉「parler」「dire」「pense」「examiner」「organiser」「porter」「recevoir」「élever」「se traduire」「devenir」「passer」「avoir pour effet de 不定詞」「augmenter」「se baser」「s’intéresser」「suivre」
書き取り試験から
書き取り試験に登場した動詞は以下でしたが、いずれも基本レベルと言えるのではないでしょうか。
👉「souhaiter」「devenir」「décoller」「partir」「espérer」「encourager」「se lancer」「voir」「décourager」「vouloir」「changer」「expliquer」「effectuer」「entendre」「devenir」「accomplir」
Anki アプリで約2,000個の動詞を暗記
英語以外の外国語では参考書の種類が極端に少なくなります。その中でも、単語帳の種類が少ない。
フランス語も仏検準1級レベルまではあるのですが、仏検1級対策の単語帳はなかなか見かけない(というか無いのでは・・)。
ということで、動詞に限って自作したのが2020年3月のこと。単語を随時追加していき、約2,000語の中級〜上級レベルの単語をピックアップし、Anki アプリで暗記を始めました。
(一部、初級レベルの単語も入っています)
★ こちらがオリジナル動詞リストです(随時アップデート)★
【仏検1級対策】フランス語のオリジナル動詞1900(標準〜難関レベル)
こんな感じで約2,000語(2022年8月時点)が登録されています。
プチロワ仏和を参考に日本語訳を添えました。
ただし、この自作単語帳には例文と発音記号が記載されていない点がだいぶ残念ではあります。とはいえフランス語に関してはスペルと発音は密接にリンクしているので、読んで発音出来るようにしておけば大丈夫!
スペルから発音のルールを覚えておくことが大切!
また例文が無いので、単語の意味がイメージしにくい場合は Google や Yahoo.fr で画像検索して視覚イメージも持っておきます。
前提:仏検準1級〜2級までの動詞レベルは単語帳で習得しよう!
Anki アプリで自作単語帳で暗記するまでに様々な単語帳を使ってきました。
仏検は他の外国語と比べて単語帳の種類は豊富です。仏検準1級〜2級レベルまでの単語はこれらの単語帳を使ってきましたので紹介しておきます。
ツイートしてます
自作の仏語単語(動詞)は毎朝ツイートしてますので、こちらも参考になるかもしれません。
結論:動詞暗記は読み書き・会話の土台
実は動詞暗記に助けられたのは、1次試験(筆記試験)だけではありませんでした。
2次試験(面接)でも相当に効果を発揮しました。要すれば以下ツイートの通り。
Anki アプリで何度も何度も動詞に出会って頭に叩き込むと(インプットをし続けると)、自然と自分の口からも出てくるようになる(アウトプットも出来るようになってくる)。
2次面接中でも「経済が復活する。」といった表現を頭で描いた瞬間、「L’économie rebondit.」が口から出てきた。このとき初めて「rebondir」という動詞を使ったと思うが、自分でもポジティブサプライズであった。
ちなみに動詞を暗記する際は例文と合わせて覚えるのが理想的だが、とりあえず意味は伝わるわけだし、正しい用法は追って後から覚えていってもよいだろう。
※ 幸いにも「L’économie rebondit.」という動詞の使い方に問題は無さそうであった
動詞暗記は読み書きのみならず、瞬発力が求められる会話でも相応にチカラを発揮します!
おまけ:動詞を土台にフランス語ニュースを読み、その他の品詞を獲得
動詞が分かれば文章の大意は分かるので、ニュースや雑誌も読んでいて苦になりにくいです。
おすすめは 20 minutes です。一つ一つの記事が長すぎないので、集中力を保って読めるのがよい。
ニュースの中で新たな動詞と出会えたらラッキー!
加えて新たな名詞や形容詞・副詞の増強のためにも、記事の中で出会ったものを覚えていくのがよいです。
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