とりあえず登録しておいた転職サイトから勧誘メールを受信する、というひょんなことから様々な会社の転職面接を色々と受けた経験があります。
転職面接では「即戦力」であるかどうかが見極められますが「証券アナリスト資格」がどのように評価されたのか、私の経験から振り返ってみようと思います。
非金融の転職では証券アナリストの認知度は低い
一般事業法事への転職面接では「この、ショウケンアナリストとはどういう資格なの?」という質問がよくありました。
キミ、このショウケンアナリストとは何か?
「会社の常識は世間の非常識」ではありませんが、証アナは案外にも知られていない資格です。
経済・証券・財務などの金融全般の知識をパッケージ化
学習してみると分かりますが、証券アナリストは証券だけに特化しているわけではありません。
財務分析やマクロ・ミクロ経済をも網羅した金融全般の知識を広く浅く身につけることができます。
上の部長Aに対する回答としては、
財務諸表の分析、株や債券の評価、マクロ・ミクロ経済の知識まで、幅広い金融全般の知識が問われる資格で、取得には1年〜2年を要します。
といった説明になるでしょうか。
証アナは公的な資格でもなく、一見むずかしそうなイメージを持たれがちな一方、実際に勉強してみると思ったよりはカンタンな資格です(あくまでもちゃんと勉強すれば)。
実際の希少価値は高くないけれど「なんかスゴそうだ。」とアピール出来るのでオイシイです。
証券アナリスト資格保有者のキャリア
証券アナリスト資格の保有者は金融機関 〜証券会社・銀行・保険・運用会社等〜 に沢山います。
日本証券アナリスト協会のHPには資格保有者の業種分布がありますが、金融関連が約75%で残る25%が事業会社等ですね。
資格保有者のうち、証券会社の所属はわずか2割で、CMAは様々な⾦融機関や事業会社で活躍しています。CMAの分析知識の活⽤は企業や証券の価値評価や投資の決定だけにとどまりません。例えば、不動産ならテナント先の収益予想を組み⽴て不動産の価格を査定したり、大規模プロジェクトのニュースを見たら、建設材料の市況をチェックしてプロジェクトの進行を予想したりといった応⽤もできるでしょう。
https://www.saa.or.jp/landing/cma/index.html
逆に言えば、事業会社に於いてはアピールポイントになるかもしれません。
例えば、自社の財務状況や経営計画など投資に必要な情報を提供していくIR(Investor Relations)の仕事等で非常に役立つでしょう。
(参考)証券アナリストを持っていないことのデメリット
証券アナリストを持っていないことのデメリットを考えてみると「資格を保有していても大きなアドバンテージは無い」ことでしょうか。
証券アナリストは巷で考えられているよりは取得しやすい資格であり、金融業界では非常に多くの人が資格を保有しているため「証券アナリスト資格はスタート地点」と見なされることもあります。
※ 金融業界で希少価値が高いのはCFA(米国証券アナリスト)や USCPA(米国公認会計士)
個人的には、資格を持っていない方に対して無意識にマウントを取りたいがために(?)、
「保有していて当然でしょ」
などの発言をしている人が一部いるだけで、実際にはしっかりと勉強しないと合格できない難しい資格だと思います。
「幅広い金融関連の知識を有しています」アピール
この資格を持っていることで、幅広い金融関連の知識を持っていることの証になります。
貴方が営業マンであれば
「営業は当然のこと、企業や証券の価値評価についても分かります。」
と言えるでしょう。
もしもミドル・バックオフィスであれば
「〇〇に関する専門知識は当然のこと、それに限らず幅広い金融関連の知識を有しています。」
と言えるでしょう。
説明の仕方は様々ですが「幅広い金融関連の知識を有している」とアピールできます。加えて1〜2年に亘って資格勉強を貫いた継続力アピールもできます。
例えば総合商社の反応
総合商社は伝統的なトレーディング業務に加えて、最近は専ら事業投資に力を入れています。投資案件の財務調査・投資先の業績管理といった業務があるところ、証券アナリストの知識は大いに役立ちます。
実際に五大総合商社のうちの一社とキャリア採用面接をした際に以下のやり取りがありました。
キミ、このショウケンアナリストとは何か?
財務諸表の分析、株や債券の評価、マクロ・ミクロ経済の知識まで、幅広い金融全般の知識が問われる資格で、取得には1年〜2年を要します。
なるほど。なぜこの資格を取ろうと思ったのかな?
金融機関で務めるものとして、全般的・体系的に金融の知識を獲得したいと考えたためです。
伝え方は色々ですが「意識高い系人間です!」アピールとしても使えそうです・・・。
キャリア時には持っておいて損はない
転職では即戦力が求められます。「即戦力=業務経験がある」と言えるでしょう。
業務経験が無い場合は即戦力とは見なされない可能性が高いですが、金融関連・投資関連業種へのキャリアを目指す場合には証券アナリストを持っていることで「業務経験はないが即戦力となる素地はある」ことを少しはアピールできるでしょう。
加えて、資格取得に向けて1〜2年間に亘って自己研鑽し続けることが出来ることもアピール材料です。
持っておいても損はない資格ですね!
【やれば誰でも合格デキる】証券アナリストの難易度は TOEIC 800点 レベル
証券アナリスト独学合格(一次)〜3科目同時合格は簡単〜最低限抑えるポイント
※ちなみに上記面接は通過出来たことから、証券アナリストの印象は悪くなかったのでしょう
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