リスニング力に伸び悩む英語学習者は多いのではないでしょうか。
資格試験やTOEICのリスニングでは良い点数は取れるのにドラマや映画の英語はあまり聞き取れない、といったことがあると思います。
ご多分に漏れず筆者もその仲間です。映画やドラマも部分的には聞き取れますが
「オープニングからエンディングまで全く字幕無しで楽しめますか?」
と問われたら、答えは「・・・No」です。
映画やドラマなどで話される早い英語は聞き取るのが非常に難しいです。ただし早い英語と言えど、ネイティブからすれば普段話している英語なのでしょう。
今回はそのような「ネイティブの普段の(早い)英語を聞き取る」ためのリスニング教材を YouTube からピックアップしました。
👇
・ Rachel’s English
・ ニック式英会話
・ Rupa Sensei
・ ヒコジロー さん
・ Exciting English
資格試験のリスニング問題・過去問も良いですが、まずは1週間これらのチャンネルを試しに視聴してみてください。ググッとリスニング力が上がるはずです。
ネイティブ英語は資格試験のリスニングとは違う
筆者は英検1級を持っておりTOEICは900点以上です。英検1級のリスニングパートの正答率は8割以上、TOEICのリスニングパートでも満点を取ったことが過去 (※) に数回あります。
※ ちなみに2021年に久しぶりに TOEIC を受けましたが、相当に難化していて ギリギリ900点 over でしたのであまり偉そうなことは言えません・・・。
日常業務においても英語でコミュニケーションするので、英語のリスニングにはある程度の自信はあるほうです。
しかしドラマや映画では「字幕なし」で見ることはしません。50%〜80%しか聞き取れないですし、字幕が無いと内容の理解に支障が出てきます。
※仕事で使う英語は案外カンタンで英語表現の幅は狭いし、専門用語が分かっていれば相手の言うことが分かるケースがほとんどです
ちなみに「ドラマや映画は字幕無しで見れる」と言う方がいるとすれば、その方は資格試験のリスニングパートで満点を取るのは朝飯前、もしくは1問ミス程度だと思ってもよいでしょう。
ネイティブの実践英語がリスニング出来ない理由
理由は単純で、実践英語(ネイティブが日常で話す英語)を聞き取る練習をしてこなかったからです。
リスニング教材の英語と日常生活の英語は同じではない
TOEICリスニング対策や英検リスニング教材の音声はいままで沢山聞いてきましたが、それらの英語は普段ネイティブが使っている英語とは必ずしも一致しません。
そのため、ニュースやドラマ・映画で話される英語の一部を聞き取ることは出来ても、全てを聞き取ることは至難の業です。ただしニュースで使われる英語はわりと聞き取りやすいと思います。リスニング教材のように丁寧にハッキリと発音してくれるからです。
ドラマ・映画で話される英語では 単語の連結(in an hour → いななうわー)や 子音等の脱落(take it → ていきっ)が頻繁に起こり、それらが容赦ないスピードで流れてきます。このような 連結や脱落 といった特徴のある英語音源でリスニング練習していくことが重要・効果的です。
同様のカラクリではありませんが、例えば日本語でも以下のように変化することがありますよね。
👉「いらっしゃいませー」→「(ら)っしゃいmせー」
👉「たいいく(体育)」→「たいk」
👉「となりのトトロ」→「となりnととぉ」
海外赴任者のリスニング力は超レベルアップしている
海外赴任者が周りに多いのですが、彼らのリスニング力は超レベルアップしています。
赴任先での日常生活の中でネイティブが発音する英語にたくさん触れているので、ネイティブ英語に耳が慣れるのでしょう。
ちなみにスピーキング力が超レベルアップする方は 10人に1人 くらいのイメージでしょうか。
※リスニングは受動的な姿勢であっても勝手に耳に入ってくるので日常的に訓練できる一方、スピーキングを高めるためには、文法力や語彙力を鍛えるためのインプット、発音やイントネーションを向上させるためのアウトプットといった能動的な訓練が必要であるためでしょう
映画やドラマのネイティブ英語でリスニング力を鍛える
Rachel’s English
登録者が400万人を超える「アメリカ英語」を学ぶためのチャンネルで、英語のみで解説されています。
ハリウッド映画や米国ドラマのワンシーンから30〜40秒ほど抜き出して解説しています。一語一語の発音を細かく説明しているのがポイントで、そのため動画全体が 約30分〜50分 と長いのが特徴です。
Rachel’s English が強調しているポイントは「リンキング=単語の連結」と「リダクション=子音等の脱落」です。
オススメの再生リストは「LEARN ENGLISH WITH MOVIES」です。
ニック式英会話
一度は見たことがあるかもしれませんが「ニック式英会話」チャンネルもオススメです。
こちらは日本語でやさしく解説してくれます。こちらも映画やドラマのワンシーンから 5秒〜10秒 ほど抜き出して解説しており、全体で10分〜15分ほどの動画です。
「自分自身でも発音を真似ることで聞き取れるようになる」と強調されており、一つ一つの発音のポイントが丁寧に解説されたあと、自分自身でもリピートする間があります。
ちなみにニックさんはオーストラリア人のようでご本人が話す英語はオーストラリア英語です。オススメの再生リストは「英語 リスニング:この英語、聞き取れるかな?」です。
Rupa先生
こちらも一度は見たことがあるかもしれませんが「Rupa sensei」チャンネルもオススメです。
「Rupa sensei」も日本語でやさしく解説してくれます。映画やドラマのワンシーンから 5秒〜10秒 ほど抜き出して解説しており、全体で10分ほどの動画です。
「ニック式英会話」とスタイルが似ています。使っている映画やドラマも似ていますし、日本語で丁寧に文法説明・発音解説をしてくれます。違いといえば「Rupa sensei」の動画では日本語の解説にも字幕がある一方で、「ニック式英会話」の動画には(字幕が)無い くらいでしょうか。
Rupa sensei もオーストラリア人でご本人が話す英語はオーストラリア英語です。オススメの再生リストは「映画・ドラマ英会話レッスン」です。
ヒコジローさん
ネイティブの発音を聞き取るスキルを研究しているチャンネルです。個人的には最もオススメしたいチャンネルです。登録者数も今後増えていく予感がします!
「早くて聞き取れない」や「中学で習ったのに聞き取れない」や「文字は読めるのに音が聞き取れない」といった、痒いところに手が届くような動画が多数あります。
リスニングが上手くいかない原因の一つに「そもそも単語を知らないから聞き取れない」がありますが、そういうのを知りたいわけじゃないんですよね。「ゆっくり聞いたら分かるけれど、ネイティブが自然なスピードで発音すると何故か聞き取れない」ような英語のリスニング練習をしたいんですよね。
「ヒコジロー」さんのチャンネルではそのようなリスニング練習を出来る動画が200本以上あるので、非常にオススメです。
全ての動画を見ることをオススメしますが、敢えて1つ再生リストを挙げるとすれば「今日の一言」でしょうか。3分程度の動画で気軽に見れるのがポイントです。
Exciting English
こちらは中・上級者向けです。個人的に最も活用しているチャンネルです。
日本語訳はなくてもいいので、とにかくネイティブ英語をシャワーのように浴びたいという方は「Exciting English」さんのチャンネルがオススメ。
映画のワンシーンから 40秒〜50秒 を抜き出しています。ほかのチャンネルよりも素材動画の尺が長いのが特徴。
①まずは字幕無し → ②次に字幕あり → ③キーワードを英英辞書風に解説 → ④最後に字幕なし
という順に流れ、全体で3〜4分程度のほどの動画です。
オススメの再生リストは「Learn/Practice English with MOVIES」。200 ほどの素材動画があるのでシャワーのように浴びることが出来ます。
オススメは「ヒコジロー」→「ニック式英会話」&「Rupa sensei」
リスニング教材としての YouTube チャンネルを4つご紹介しました。
個人的なオススメ視聴方法としては、
まずは「ヒコジロー」さんの動画をすべて見る → 「ニック式英会話」と「Rupa Sensei」を同時に見る → 「Rachel’s English」と「Exciting Engllish」を見る
です。
全てのチャンネル合わせれば 700個 近くの動画があるので、全てを制覇すれば 1年間の留学 と同程度かそれ以上の効果が得られるかもしれません。
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