外国語を格付!?2050年の言語ランキング&自身の言語能力を点数化!

語学

今の時代は英語至上主義。「英語ができれば十分。」というコメントもあります。

一方で「中国語も出来ると最強。」といった声もあります。果たしてどの外国語を話せると現在〜将来で武器となるのでしょうか。

そこで複数論文を参考に定量的に外国語を格付してみました。

外国語を格付!?

さっそく主要な外国語を格付してみよう!

Ranking

外国語について点数を付けて格付を与えるような研究がありましたので2つ参考にしてみます。

1つ目は Engco Model。これは 1995年に English Company (UK) Ltd が作ったものです。

2つ目は Kai L. Chan, PhD 氏の「Power Language Index – Which are the world’s most influential languages ?」というもの。

結論から言えば 西暦2050年頃 の外国語格付けは以下となります。

Engco Model

The big languages は次の通り:
英語、スペイン語、中国語、ヒンディー語・ウルドゥー語

Power Language Index

ベスト5は次の通り:
1. 英語, 2. 中国語, 3. スペイン語, 4. フランス語, 5. アラビア語

英語、中国語、スペイン語が強いです!

Engco model での格付

Engco model は English Company (UK) Ltd の略称。この格付では グローバルに与える影響(global influence)を測るもの。

Engco model の評価要素

Engco model では以下の3つを評価要素としている。

・経済的要素(economic)・・・どれだけ貿易の世界に開かれているか
・人口的要素(demographic)・・・若い話者の数、都市化のスピード
・開発的要素(human development)・・・識字率、教育水準、クオリティ・オブ・ライフなど

その外国語を話す人がどれほど多いか、または彼らの経済的豊かさがどれほどか、を評価要素としています。

またソーシャルネットワークにどれほど触れているか、も評価要素の一つです。

1995年時点の格付(Engco model)

1995年時点での評価は次の通りで案外にも日本語が健闘しています。

1995年時点の英語の評価を100として多言語も点数化したものです。詳しい算出までは分かりませんでしたが、英語が圧倒的に強いです。

順位言語点数
1英語100
2ドイツ語42
3フランス語33
4日本語32
5スペイン語31
6中国語22
7アラビア語8
8ポルトガル語5
9マレー語4
10ロシア語3
Source: Graddol (1997, p. 59)
https://www.academia.edu/12529756/The_Future_of_English_by_David_Graddol

2050年時点の予測格付(Engco model)

Engco model による2050年予測は次の通りです。数値化はされていないのですが1990年代との比較があります。

英語とフランス語が頂点を取っていた時代があったものの、2050年にはフランス語はその地位落とし、代わりに 中国語、ヒンディー/ウルドゥー語、英語、スペイン語、アラビア語 が The big languages になる予測。

1990年代の評価
Source: Graddol (1997, p. 59)
https://www.academia.edu/12529756/The_Future_of_English_by_David_Graddol
2050年の評価予測
Source: Graddol (1997, p. 59)
https://www.academia.edu/12529756/The_Future_of_English_by_David_Graddol

Engco model は1995年時点の予測なので少し古いものではありますが、アメリカ、中国、インド といった経済的大国で使われる言語が来る予測です。

Language Power Index(LPI)での格付

Language Power Index(LPI)は Kai L. Chan, PhD の論文で作られた指標です。ここでは主に5つの評価分野があります。

LPIの評価要素

LPIでは5つの評価分野があり、それぞれの評価分野に3〜5の評価項目があります。つまり全部で20の評価項目があります。

① 地理(geography)・・・話されている国・地域数、国の面積、インバウンドの旅行者数 など
② 経済(economy)・・・GDP、輸出金額、外国為替市場のシェア など
③ 意思疎通(communication)・・・ネイティブ話者数、第2言語としての話者数、語族の大きさ、アウトバウンドの旅行者数 など
④ 情報・メディア(Knowledge & Media)・・・インターネット上でのシェア、長編映画の数、世界トップ500の大学の数、研究雑誌数 など
⑤ 外交(Diplomacy)・・・IMF、国連、世界銀行等の国際機関での公用語であるか

①〜④はそれぞれ最大 0.225 点が、⑤には最大 0.1 点が与えられ、①〜⑤の合計は最大 1 点となります。

※細かいですが、例えば ① についても「話されている国・地域数」と「インバウンドの旅行者数」がそれぞれ最大 0.05625 点ずつ、「国の面積」は最大 0.1125 点になるように細かく分けられています

2016年時点の格付(PLI)

上記の細かな点数配分の結果、2016年時点の外国語格付は以下の通りになっています。

Engco model と同様に英語の格付(点数)が高く2位の倍以上あります。

順位言語点数
(1点満点)
1英語0.889
2中国語0.411
3フランス語0.339
4スペイン語0.330
5アラビア語0.272
6ロシア語0.244
7ドイツ語0.192
8日本語0.133
9ポルトガル語0.118
10ヒンディー語0.117
Source: http://www.kailchan.ca/wp-content/uploads/2016/12/Kai-Chan_Power-Language-Index-full-report_2016_v2.pdf

2050年時点の格付(PLI)

経済力バランスや人口動態の変化に基づいて整理すると、2050年時点では以下のような格付予測がされています。

比較しやすいように 2016年時点格付 (左) と並べてみました。

順位
2016
言語点数
(1点満点)
1英語0.889
2中国語0.411
3フランス語0.339
4スペイン語0.330
5アラビア語0.272
6ロシア語0.244
7ドイツ語0.192
8日本語0.133
9ポルトガル語0.118
10ヒンディー語0.117
2016年時点の格付
順位
2050
言語点数
(1点満点)
1英語0.877
2中国語0.515
3↑スペイン語0.345
4↓フランス語0.325
5アラビア語0.295
6ロシア語0.242
7ドイツ語0.155
8↑ポルトガル語0.149
9↑ヒンディー語0.138
10↓日本語0.110
2050年時点の格付

トップ2は相変わらず英語と中国語のまま。スペイン語が順位を一つ上げて第3位に。

ところで日本語は順位を2つ下げて10位に。やはり人口減少や経済力低下が数値を下げてしまう結果に。

自身の言語能力も点数化してみよう

PLI によって各言語に点数をつけることが出来ましたので、ちょっとした数字あそびをしてみよう。

自分の外国語運用能力を点数化できます!

Kai L. Chan, PhD の論文(※)の最後に少しだけ触れられているものですが、結構面白いアイデアでしたので「INDIVIDUAL PLI SCORE」を測るために以下作ってみました!
Power Language Index – Which are the world’s most influential languages ?

CEFR:ヨーロッパ共通参照枠(A1→A2→B1→B2→C1→C2)

レベルを選択する際には CEFR(Common European Framework of Reference for Languages: Learning, teaching, assessment:外国語の学習、教育、評価のためのヨーロッパ共通参照枠)を参考にします。

言語能力を評価してみよう

上表のレベル区分に従って以下を埋めていくと最後に赤字で点数が出てきます

あなたの点数はいかがでしたでしょうか。日本語の点数(0.133 点)も含めて1.5 点以上ある人は凄いと思います!

仮に英語と中国語が両方とも流暢である場合でも 1.300 点です。

また英語が全く出来ず、ヨーロッパ言語(仏、西、露、独、葡)のみ流暢の場合でも 1.223 点となります。

すべての言語を流暢に話せる場合は 3.043 点です。個人的には将来は 1.5 点以上を狙いたい!

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